食欲がない…食欲不振が
続くとどうなる?原因は?
健康と安心を取り戻すためには、食欲不振の原因を特定することが何より大切です。考えられる原因について、ご紹介します。
ストレスや精神的な
もの・うつ病・認知症
職場・学校・家庭の人間関係、仕事の重圧などによるものです。苦手な発表の前に食欲が出ないという程度のものであれば誰でも経験はありますが、うつ病を発症した場合など、専門的な治療が必要です。
また、認知症によって小食(あるいは過食)が引き起こされることもあります。
消化器などの病気
胃腸炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃・食道・十二指腸・大腸がん、肝臓がん、膵炎など、さまざまな病気が、食欲不振を伴います。
生活習慣の乱れ
不規則な生活・睡眠不足・ストレスによって自律神経のバランスが崩れると、胃腸が正しく機能せず、食欲不振になることがあります。
薬などによる副作用
鎮痛剤、抗生剤、向精神病薬、抗がん剤などの薬の副作用の1つに、食欲不振があります。ただし、医師に処方されたものについては、自己判断で中止をしたり、量を減らしたりしないでください。
食欲不振とは?
「なんだか食欲がない」ということは、誰にでもあります。二日酔いであったり、食べ過ぎた日の翌日であったり、心配事があったりするようなケースです。一食抜いてしまった、今日はあまり食べられなかったという場合にも、すぐに食欲が戻ってくるようでしたら基本的に問題ありません。
ただし、以下のような場合には、身体の異常による「症状」と捉え、お早めに当院にご相談ください。
このような症状が
続いていませんか?
- 1週間以上、食欲がない
- 何日もほとんど食べていない
- 食べるとすぐもどしてしまう
- 胸やお腹の不快な症状で食欲が湧かない
- 運動量は変わらないのに体重が減ってきた
- 貧血気味でめまいやふらつきがある
- 食べても味がせず食事が楽しくない
- 食事を面倒に感じる
- 特定の食品しか食べられない
- お酒ばかり飲んでしまう
- 食べ物、食べることに嫌悪感がある
食欲不振をともなう病気
食欲不振をともなう代表的な疾患をご紹介します。
胃がん
ピロリ菌の長期感染、塩分の摂り過ぎ、喫煙などを原因として発症します。
初期は症状に乏しく、ある程度進行してから、胃の痛みや不快感、食欲不振、胸やけ、吐き気などの症状が現れます。さらに進行すると、吐血や貧血、黒色便(タール便)などの症状も見られます。
逆流性食道炎
胃酸の過剰分泌や腹圧の上昇、加齢にともなう下部食道括約筋の緩みなどを原因として、胃酸が繰り返し逆流してしまう病気です。
食べ物の飲み込みづらさ、喉の違和感、食欲不振、声枯れ、体重減少などの症状が見られます。
慢性胃炎
ピロリ菌の長期感染を主な原因として発症します。放置していると、萎縮性胃炎や胃がんの発症リスクが高くなります。
症状としては、胃の痛みやむかつき、吐き気、食欲不振、腹部の張りなどが挙げられます。
胃・十二指腸潰瘍
ピロリ菌の持続感染、非ステロイド剤抗炎症薬の長期服用 を主な原因として発症します。
胃やみぞおちの痛み、腹痛、吐き気、食欲不振、体重減少、ゲップなどさまざまな症状が見られます。悪化すると、吐血や貧血、黒色便(タール便)を伴うこともあります。
甲状腺機能低下症
免疫機構の異常などによって、甲状腺ホルモンを分泌する甲状腺の機能が低下する病気です。
新陳代謝が低下することから、むくみや冷え、体重増加、食欲不振、脱毛、皮膚の乾燥、抑うつ気分、無気力など、心身にさまざまな症状を引き起こします。
食欲不振の検査・診断
診察では、食欲不振、また併発する症状について、詳しくお聞かせください。
問診でうかがうこと
症状について
- 食欲不振がいつから、どういった頻度で起こっているか
- 味の感じ方に変化はないか
- 食べられるもの、食べられないものの傾向
- 飲酒の有無、量
- 食欲不振以外の症状の有無(むかつき・胃痛・腹痛・めまい・体重減少・血便・憂うつなど)
環境について
- 既往歴、家族歴
- 服用中の薬、サプリメント
- 思い当たるストレスや悩み
- 生理の状態、妊娠の可能性
- 物忘れの有無、家族からの指摘
主な検査
当院では、経鼻内視鏡や鎮静剤を使用した苦痛・恐怖心のほとんどない胃カメラ検査を行っております。専門医が精度の高い検査を行いますので、胃カメラ検査を受けたことがないという方もご安心ください。
食欲不振の治療
食欲不振の患者様に行う治療としては、以下のようなものがあります。
もちろん、原因となる疾患が特定できれば、その疾患に応じた治療を行います。
その他、心療内科や精神科との連携が必要な場合には、迅速に対応します。
薬物療法
胃酸の分泌を抑える薬、胃粘膜を保護する薬、吐き気止めなど、胃の状態や症状に合わせたお薬を処方します。またピロリ菌検査で陽性だった場合には、除菌治療を行います。
使用していた薬を原因としていた場合には、処方した先生と連携し、薬の種類の変更や中止を検討します。
生活習慣の改善
不規則な生活・睡眠不足・ストレスなど、自律神経のバランスを乱す要因がある場合には、その改善のための指導を行います。
栄養バランスの良い食事を摂る、アルコールを控える、適度に運動するといったことも大切です。